ウィングコマンダー
AT DOS, PC98, FMTowns, Win, Mac, SFC, MegaCD, 3DO, PS, PSP, Xbox 360, GBA/Origin Systems/1990-1998年

概要

Ultimaシリーズで有名なOrigin社による老舗シリーズ。国内でも古参のゲーマーなら何度か見かけているのではないだろうか。 何しろ一時期の欧米ではFF・DQよりも有名というメジャータイトルで、セールス自体は極めて好調だった。しかし、OriginはElectronic Artsの方針によりUltima Onlineの運営・開発に専念、ついにはOrigin自体が閉鎖する事となり、シリーズ展開を中断させられた悲運のタイトルでもある。 ミッション攻略型の本編五本と追加ミッション集四本、外伝的作品として、自由度重視系のPriveteerシリーズ二作、ストラテジー+コンバットシムのArmada、単体動作するミッション集AcademyとSecret Opsが有る。 初代がSFCとメガCDに、そのリメイクが3DO及びMACに、初代と追加ミッション集二本、IIと追加ミッション集2、及びArmadaがFM-TOWNSに、PrivateerがDOS/Vと9821に、IIIがDOS/VとPS、WIN95に邦訳リリースされている。 また、初代3作をWin用に最適化したパック、Wing Commander: The Kilrathi Sagaがリリースされている(英語のみ)。 残念ながらIV以降は邦訳されておらず、Dos/V向けに日本語マニュアル版がリリースされたのみ。 このシリーズはシナリオを重視して開発されており、ビジュアル化されたブリーフィングや豊富なイベントシーン、キャンペーンの結果によって変化するインターミッションが演出面で強力に機能した。 また、同梱されている副読本には異星種族の社会制度や価値観、人類側の状況などが小説方式で記載されていた。 その丁寧な世界観構成の為、ゲーム単体以外にもユニバースファンが多数存在しており、ファンフィクションの数とその熱心さはかなりのものである。 一方で、そういった副読本等のゲーム外の物語が続編で物語の重要な伏線になっていた事などがあり、敷居の高さに繋がっていた事実も無視できない。 III以降はCD-ROMの普及による大容量化に伴い、ハリウッド俳優を起用した実写ムービーが売りの一つとなったが、その主役の俳優がStar Warsの主人公、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルであるというのは有名な話。 一度プロデューサーのクリス・ロバーツ自らの手で映画化もされたが、ドッグファイトなどのシーンはそれなりに良く出来ていたが、総合での出来の方は少々よろしくなかった模様。 少なくとも映像作品としてはアニメ「Wing Commander Academy」の方が高評価である。 オフィシャルの小説も多数執筆されており、こちらは各国で翻訳され、一定の評価を得ている。

シリーズ作品一覧

このシリーズには以下の作品が存在します

Wing Commander (AT DOS, FMTowns, Win, Mac, SFC, MegaCD, 3DO, PSP/Origin Systems/1990-1991, 1994年)

記念碑的な第一作。OriginFXというグラフィック・サウンドシステムは当時のPCゲームシーンに衝撃を与え、PC-ATのi386DX普及に一役買った。 ゲームとしても完成度が高く、後の作品に大きな影響を与えた。 Kilrathi帝国との最初の全面衝突であるVega星域の会戦を、強襲空母Tiger's Clawの一員として戦い抜く。 内容は比較的シンプルで、ウイングマンと一緒に作戦宙域に設定されたNavポイントを回り、設定された作戦を遂行していくというもの。その成否によって、シナリオは分岐、エンディングも変化する。 本作以後、PrivateerやArmada等の外伝的な例外を除いて、シリーズ全般でこのスタイルは変わらない。 2Dグラフィックの書き換えによる擬似3Dは、スプライトを実装していないIBM-PCでは驚異であった。 また、追加ディスクによるフル音声も当時は他に無い特色で、通信チャンネルから敵に罵声を浴びせて攻撃を引き付ける等、ゲーム性に措いても積極的に活用されていた(この機能自体は音声ディスクが無くても使用できる)。 追加ミッションはコロニーを一撃粉砕する新型戦艦Sivarの破壊を目指すSecret Missionsと、航路上の全てを蹂躙しながら執り行われる宗教儀式を阻止するSecret Missions2の二本。

リメイク版 "Super Wing Commander" が3DOおよびMac向けに発売されている。双方に完全日本語版が出ていたが、吹き替えと字幕を併用した少々半端な日本語化であった。

Wing Commander1は、PSPでリリースされたEA Replayという古いゲームの詰め合わせにも収録されている。

Wing Commander II: Vengeance of the Kilrathi (AT DOS, FMTowns, Win/Origin Systems/1991-1992年)

OriginFXの拡張版を駆使して投入された二作目。サウンドブラスターが全面バックアップされ、この普及を推し進めた。 クローキング機能を持った新型機によってTiger's Clawは撃沈され、その証明ができなかった主人公は辺境へと追いやられてしまう。 その彼が前線へと復帰し、Enigma星域の要塞K'tithrak Mangを破壊して汚名を雪ぐまでの戦いを描く。 爆撃機の登場や砲座システムの採用等、ビジュアル以外にフライト面も大きく拡張された。 しかし、駆逐艦以上の大型艦はフェーズ魚雷以外では破壊出来ないという設定が加えられ、事実他の兵器を全く受け付けなくなってしまった。 フェーズ魚雷はロックが遅く、プレイヤーは一分以上(!)静止していなければならない。その上艦船にFlak Gunが採用され、不可避の攻撃で削り倒されるプレイヤーが続出。にも関わらずパワー分配システムは未実装だった。加えてこのFlak Gunにはフェーズ魚雷の迎撃能力さえあり、せっかくロックしたフェーズ魚雷があっけなく迎撃されてしまうことも。 この為、難易度は著しく上昇。完成度の面では若干不満の残る出来となった。 追加ミッションは、失踪し、海賊に成り果てた巡洋艦Gettysburgを巡って戦うSpecial Operationsと、人類側に浸透したスパイとKilrathiの政治動乱が絡んだ物語が展開するSpecial Operations2の二本がある。

Wing Commander III: Heart of The Tiger (AT DOS, Win, Mac, 3DO, PS/Origin Systems/1994年)

Kilrathiとの最終決戦。主人公は次第に圧倒されつつある地球側のエースパイロットとして、様々な任務に携わっていく。 CD-ROMの普及による大容量化が謳われた時代、洋の東西を問わず実写ゲームの大量投入が行われた。 このゲームはその中でもかなり大規模で、イベントからフライト時のチップグラフィックに至るまで全て実写化、その為にマーク・ハミルを始めハリウッド俳優を多数配し、実際に映画を撮影(舞台は全て青背景による合成だったが)するという贅の限りを尽くした超大作。当然容量は膨大で、CD4枚組みとなった。セールスも凄まじく、早々と100万本を超える売上を記録、EAの90年代ベストセールスの一つに数えられている。 ゲームとしてもかなり凝っていて、惑星上での作戦やイベント内選択肢によるシナリオの変化など、様々な試みが見て取れる。 しかし、シナリオの出来自体は余り芳しく無い。そもそも話が過去の追加シナリオを含めた集大成的なもので、シリーズの熱烈なファンでないと転換点となるイベントの意味が解らないし、その展開もいまいち派手さが無く、過去の幅広さと比べて物足りない印象を受けるプレイヤーも多かったのではないだろうか。 フライト面でもポリゴン化によって特徴的だった機体のデザインがかなり地味になるなど、技術の過渡期ならではの制約をもろに受けている。 ドッグファイトそのものはなかなか面白く、ある意味不運なタイトルである。

プレイステーション版 (完全日本語版あり) も発売された。動画部分の画質はPC版を凌ぐものであったが、肝心のドッグファイト部分は画質及びフレームレートが悪く、話にならない出来だった。惑星上でのミッションも省略されている。止めに、PS2では起動すらしない。

Wing Commander IV: The Price of Freedom (AT DOS, Win, Mac, PS/Origin Systems/1996年)

Kilrathiとの戦争は一応の終結を見たが、辺境世界では独立を巡って民間船への攻撃が多発。議会が対応を巡って紛糾する中、辺境へ派遣されたプレイヤーは、そこで様々な戦いを経験する事になる。 継続してハリウッド俳優陣を投入、更に背景セットの構築によって実写映像はより高度に。容量は更に拡大、CD6枚組みにまで膨れ上がった。 シナリオも練り込まれ、余り触れられていなかった辺境を描く事でより深いものになっている。展開も激しく、終盤のそれは特に秀逸。 ドッグファイトは熱く、ミッションも多彩。こなれていない部分の多かった前作に比べて、完成度の高い逸品になっている。 しかし、セールス面では苦戦を強いられた。発売当初は良好だったが、勢いが続かなかったのだ。 ゲームの肥大化は、そのままDOS環境下での動作の難しさに直結した。Config.sysの設定が困難になり、起動できないユーザーが続出したのだ。 当時、Windows95のゲーム環境は脆弱そのもので、マシンも重いOS上でのゲーム動作に耐えられる物では無かった。 ゲームを起動するのは難しいのが当たり前だった。だが、WCIVは余りにも難し過ぎた。 傑作と呼ぶに相応しいゲームだが、それだけにつくづく勿体無い話である。

Wing Commander: Prophecy (Win, GBA/Origin Systems/1997年)

Kilrathiに語り継がれた予言の通りに現れ、Kilrah星域を壊滅させた謎の宇宙人Nephilimとの戦いを描いた作品。CD3枚組み。 実写によるムービーは健在で、やはりマーク・ハミル等ハリウッド俳優が多数起用されていた。ただしこの作品でのマーク・ハミルは主役ではなく、主人公の上官という立場であった。 メカニックデザインにシド・ミードを投入。デザインを全面的に書き起こさせる、訓練シミュレーションの楽曲にもロックバンドCobalt 60を採用する等、全体的にかなり贅沢な造りになっている。 また、グラフィック面でも3DFX社のGlide及びDirect3Dを採用、シリーズ初のフル3Dボード支援により滑らかで美しく、迫力のあるものになった。 このタイトルは当時、Wing Commander Vとして開発されていたようだ。ナンバーが外された理由は定かではないが、どうも開発に際して、かなり問題の発生したタイトルであったらしい。 開発当初はオンラインモードが採用されており、実際にその様子は公表されていたのだが、途中でキャンセルされている。 加えて、プロデューサーのクリス・ロバーツが途中降板、弟エリン共々Originを退社してしまった。 これらの事情から、EAがこのシリーズにどのような印象を持ったかは想像に難くない。 しかし、通常そういった周辺事情は完成度の低下に直結するのだが、本タイトルはその範疇に収まらなかった。 ドッグファイトシーンは挙動や性能面で様々な特徴付けがなされており、趣向が凝らされたものになっている。小型機同士の格闘戦に限って言えばシリーズ最高の完成度と言えるかも知れない。 その反面、対大型艦戦は簡単かつ単調であった。シリーズで一番簡単かもしれない。おそらく戦闘艦全体に火力が足りないのだろう、苦も無く撃沈できてしまう筈だ。

Impress PC Watch: ゲームソフトインプレッション
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980514/weekend.htm

Wing Commander: Secret Ops (Win/Origin Systems (フリーソフト)/1998年)

Kilrah星域の戦いを終え、貴方は新造されたHades級快速巡洋艦Cerberusの処女航海に参加するという栄誉を得た。 しかし、その最中に人類側星域の奥深くでNephilimと接触。今度は人類領域を巡る熾烈な戦いを経験する事になる・・・。

本作品はProphecyの後日談に当たる追加シナリオであり、オンライン流通に向けた試験として、実験的に無料配信された。Prophecy本体が無くても単独で動作する。 最初に112MBの基本ファイルをダウンロードし、以後毎週公開される数百KBのエピソードを追加していく方法が採られた。 後にエピソディックゲームと呼ばれるゲーム配信方法のはしりの一つでもある。 実写ムービーは無く、カットシーンはゲームエンジンによるスクリプト演出を用いていた。 ドッグファイトシーンはシステム面での変更こそ無いが、機体及び兵装に微調整が施されている。 その上ミッションも難しくなり過ぎない様細心の注意を払いながら、常に激戦になるよう巧妙に組み上げられており、爽快感と手応えを高いレベルで両立させた絶妙のバランスとなった。 また、このシリーズに共通する通信/罵声システムも発展を遂げ、特に罵声の「品位」が著しく向上。臨場感の創出に一役買っている。 総じてProphecyを超える完成度の名作である事は間違いない。 これがシリーズ最終作となってしまったことがとても残念である。

なお、Wing Commander: Prophecy Goldにも収録され、ファンメイドミッション rebellion が同梱されている。 現在、開発元のOrigin及び販売元のEAからは入手する事が出来ない。ftpには残っているのだが、リンクが存在しないのである。 その代わり、最大手ファンサイト Wing Commander CIC にミラーが存在している。Fileセクションからダウンロードできるので、ぜひ一度試して欲しい。 また、有志によるファンメイドキャンペーン・グラフィック強化パッチなどもリリースされている。 同時にこのタイトルは、現在通常の方法で安定してPC版が手に入る唯一のタイトルである為に、このシリーズを楽しんで見たい方はこちらをプレイしてみるべきだろう。

EP1 + 本体
Full English Starter Packageよりダウンロード出来ます。
残りの全エピソード + rebellion
ページ下の"Where to get it:"の欄の"Here!"と書かれた部分よりダウンロード出来ます。

シリーズ番外編

このシリーズの番外編的なタイトルはこちらです。

Wing Commander: Academy (AT DOS/Origin Systems/1993年)

WC2のエンジンと設定を流用して作られた簡易ミッション作成ツール。単体で動作する。 ビジュアルイベント作成ツールがあるわけではないのでキャンペーンは組めないが、NAVポイントの設定や彼我戦力の配置はプレイヤーの手で設定可能である。 また、敵機体に地球系列、自機にKilrathi系列を配することもできる。 WCシリーズでは通じてKilrathi側の機体を駆る機会は滅多に無く、そのため異文化のコクピットをフルに堪能できる数少ないタイトルとして、妙に人気がある。 フライト面において特に変更点は無い。

Wing Commander: Privateer (AT DOS, PC98/Origin Systems/1993年)

Eliteなどの宇宙探索ゲームの流れを汲み、自由度を重視した形で作られた番外編。 Righteous Fireというアドオンもリリースされている。

Wing Commander: Armada (AT DOS, PC98, FMTowns/Origin Systems/1994年)

ターンベースストラテジとフライトコンバットを掛け合わせた実験的作品。WC3エンジンのテスト版を試験投入して作られている。 シリーズ初のポリゴンによる3Dを投入したタイトル。 プレイヤーは地球人類側かKilrathi側何れかの指揮官として、11ある星域を転戦していく。 惑星を占領し、その資源を確保し、造船所を建設し、機体を製造して戦力を配置する。 接敵した場合は、戦力比に基いて戦果と被害を自動算出するか、プレイヤーが戦力の内一機を担当してドッグファイトをするか選べる。 正直、テクノロジーツリーなどの概念が無いため、CPU相手に遊んだ場合は少々底が浅く、飽きの早いタイトルである。 しかし、当時既にモデムや画面分割による対戦、しかも挑発コマンドや指示コマンドを実装していた事は大きく評価されても良いだろう。 Originが運営していたOriginBBSでのみ入手可能なアドオン、Proving Groundsが存在する。

Wing Commander: Privateer 2 - The Darkening (Win/Origin Systems/1996年)

Wing Commander: Privateerの続編。

Wing Commander: Arena (Xbox 360/Electronic Arts/2007年)

XboxのオンラインゲームダウンロードサービスであるXbox LIVE Arcadeにてリリース予定の新作。 今までのシリーズから大きく離れて斜め上方見下ろし型の2D全方位シューティングとなっている。

2次創作タイトル

このゲームの2次創作タイトルには以下のものがあります。

Flight Commander (Win, Linux/フリーソフト/1999-2006年)

Wing Commanderシリーズのクローンゲーム。

公式サイト

Wing Commander: Privateer Remake / Gemini Gold (Win, Linux, Mac/フリーソフト/2005, 2005-2007年)

フリーウェアであるVega StrikeのEngineを用い、有志が往年のゲーム、Wing Commander: Privateerをリメイクしたもの。 派生プロジェクトであるWing Commander: Privateer - Gemini Goldはより内容をオリジナルのWing Commander: Privateerに近づけたもの。 現在はGemini Goldの方がが主流のようです。

Wing Commander: Privateer Remake
Wing Commander: Privateer Remakeの公式サイト。
Wing Commander: Parallel Universe
Wing Commander: Privateer Remakeの改変版であるParallel Universeの公式サイト。
Wing Commander: Privateer - Gemini Gold
Wing Commander: Privateer - Gemini Goldの公式サイト。

関連リンク集

公式

ファンサイト

Wing Commander CIC (英語)
ポータル的な最大手ファンサイト。 パッチ、SDK、ユーテリティ、MOD等、必要なファイルと情報はほぼ全て網羅されている。 今でも製作されつづけるファンによる2次創作などもしっかり捕捉されている。

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