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Transcendence/Sisters of Domina

The Book of Tales and Memories

http://www.neurohack.com/transcendence/bookoftales/index.html

「The Book of Tales and Memories」は、人類宇宙の伝説と物語を集めた有名な編纂である。 この本にある物語の多くは誇張されていたり、作り話だったりもするのだが、どの話にも 少ないながらも真実が含まれ、時間の流れにも失われてこなかったものだ。 総合すると、これらの物語は、星々の中での人類の歴史と、それに加えて我々の畏れ、希望、 そして夢を語るものだ。連接デジタル首府の巨大な図書館にはもっと正確で分かりやすい情報が あふれているが、「Book of Tales and Memories」はいまだに、Commonwealthにとって最も重要な 文学作品の一つとして数えられている。

この書庫は、24世紀のMatthew J. Konnerが編集した版にある物語を元にデジタル化が行われているところである。 物語は以下のリストの通りである。

Sisters

http://www.neurohack.com/transcendence/bookoftales/Sisters.html

何世紀も前、3人のシスターたちがケンタウリからIncandescentに向けて旅に出ました。 海賊の脅威があったため、彼女たちはそれぞれ3隻の違う船で旅をしました。 Euginiaは冒険に積極的であり、指令船のEndeavorに乗り込みました。 Victoriaは3人の中で最も賢く、科学探査船Fermiで旅をしました。 Katharineは、故郷にいる方が好きでしたが、不機嫌ながらも最後の船、 Riging Starに乗り込みました。

深宇宙、どこからの助けも届かない場所で、この3隻の船は海賊からの攻撃を受けました。 この3隻はみな、できるだけの防衛をしました。レーザー砲塔は幾重にもわたって押し寄せる 海賊に向かって絶え間なく砲撃を続けましたが、しかしまだまだ海賊は押し寄せてきました。

前触れなしに、何発かのミサイルがEndeavorを直撃しました。たくさんの区画が損壊し、 乗員たちは悲鳴をあげながら冷たい真空の宇宙へ吸い込まれていきました。 損傷したデッキで気圧がどんどん下がっていく中、Euginiaは空気を求めてもがきました。 爆発音が薄れていく空気の中でだんだん消えていく中、Euginiaは意識を失い、夢を見ました。

夢の中で、EuginiaはDominaの柔らかな声を聞き、明るい緑色に輝く星と、 それをとりまく暖かな世界を目にしました。

「この星系はあなたのものです」頭の中でDominaが言いました。 「ここは、あなたと、あなたの民すべての聖域としなさい。」

その声を聞くと、Euginiaは目の前に、星系の中の衛星の周りをまわる美しい寺院を見ました。

その光景に動かされ、Euginiaは寺院に向かって手を伸ばしましたが、彼女は前のめりになって バランスを崩し、暗黒の空間に落ちていきました。落ちていく中、風がうなりを上げ、 星々が彼女の周りを踊っていました。そして目が眩むような光が足元から現れ、 彼女の体全体を飲み込みました。永遠よりも長い時間のあいだ、Euginiaはただまばゆい 白色の光だけを見て、聞いて、感じていました。

その光景から目を覚ますと、Eugeniaは再びEndeavorの中に居ました。 空気ポンプが気圧を正常に戻し、爆発もおさまっていました。

Eugeniaはブリッジに急ぐと、他のシスターたちと連絡をとりました。 たくさんの人が海賊の攻撃で亡くなっていましたが、VictoriaとKatharineは無事でした。

「どうやって海賊から逃げたのでしょう?」とEugeniaは尋ねました。

Victoriaは言いました。「海賊にもう殺されると思ったそのとき、私たちの3隻の船は スターゲートを通ったの。スターゲートなんて見えなかったけど。私には科学的に説明ができないわ。 これは奇跡よ!」

しかしKatharineは言いました。「これでIncandescentに到着していればもっと良い奇跡だったのに。 でもそうじゃなくて、私たちの救い主さまのせいで、私達はこの気持ち悪い緑色の太陽の ひどい星系にほったらかしにされてしまったわ。」

それでEugeniaは、彼女の夢のことと、それからこの星系の、旅人たちを守る大きな寺院が どんな風に見えたかを話しました。

「ここはDominaが私に見せてくれた星系なんだわ」とEugeniaは言いました。 「Dominaは私を生き返らせてくれたのだから、私の命は彼女の意志を全うするために捧げる。 Endeavorと私は、Dominaの寺院を作るためにここに残ります。」

Victoriaも同意しました。「貴方はDominaによって選ばれたのだから、私達にできることで あなたをお手伝いするのが私達の務め。Kathyと私はIncandescentに到着したら、物資と建材を あなたに送ることにするわ。」

KatharineとVictoriaはEugeniaに別れを告げると、彼女らの船をIncandescentに向かわせました。 ですが未探査の宇宙を航行しているため、どのスターゲートを通ればいいのかは分かりませんでした。 科学調査船Fermiに搭乗しているVictoriaは、装備している機器を使い、古のスターゲートのネットワークの 秘密を解き明かそうとしました。

Victoriaが調査を続ける中、船は何日もの間動けませんでしたが、しかし、それでもIncandescentへの 道のりは掴めませんでした。物資がだんだん尽きていく中、乗員達の間に絶望感が広がっていきました。

ある夜、Fermiの天体コンピュータの前で20時間も作業をした後、Victoriaは疲れきって眠り、夢を見ました。 Victoriaは銀河の頂上に浮かび、そして超自然的な視覚と精神のもと、数え切れない星々のゆらぎを見通しました。 彼女は何千億もの星々の一つ一つを知り尽くし、そして彼女の見たすべての星はあるべき場所に収まっていました。 そしてこの銀河の端々までも、彼女にとって知らないものは一つもなく、あらゆる世界は、自分の家の庭の花と 同じくらい、彼女にとっては当たり前のものでした。

Victoriaが喜びに満ち溢れてそこに漂っていると、Dominaの声が聞こえました。 どんな音楽よりも美しく、そして自らの心の発する警告よりも鋭い声でした。

「あなたは星々の間に、あなた自身の道を見つけるでしょう」とDominaは言いました。 「ですが、まずは友人を助けなけばなりません。」

Victoriaが目覚めたとき、彼女は苦痛に悲鳴をあげました。銀河についての無限の知識は消え去り、 彼女の心に残ったものは膨大な無知だけでした。ですが、彼女の脆弱な精神は、重大な2つの知識だけは 保っていました。一つ目は銀河の中心にある、神々の住まう場所への道、二つ目はIncandescentへの道のりでした。

ある日、Victoriaは銀河の中心へ向けて自らの道を歩み、人類宇宙からは姿を消すことになりますが、 この時には彼女の知識は、FermiとRising Starを、IncandescentにあるCommonwealthコロニーに導くのに使われました。

数週間後、VictoriaとKatharineはとうとうIncandescentに行くことのできるスターゲートまで辿り着きました。 しかしKatharineは不安になって、シスターを呼びました。

「Victoria、何だか妙に危険な気がするの。私たちを襲った海賊がまだ居るんだわ。このスターゲートを出たとたん、 きっと攻撃してくるのよ。」

「どうしてそんなことが分かるの?」Victoriaは尋ねました。 「海賊達がその辺をうろうろしながらわざわざ私達を待ちわびてるなんて、論理的じゃないわ。」

「論理的じゃないのは分かってるけど、昨晩おかしな夢を見たの」とKatharineは言いました。 「私は地球の上に漂って、そしてすべての大陸が灰で覆われ、すべての海が沸騰して蒸発してしまった夢を見たの。 夢の中で私は泣き叫んだわ、人々のことを考えて、それから何か見えないか、何か聞こえないか、生きている人を 探したけれど、ただ暗い虚空だけで−誰も生きてはいなかった。」

「私はもっと高く、高く浮かんで、ケンタウリのステーションも、シリウスの大都市も、全て見たの。そしてどこにも、 どこを見渡しても、宇宙の深淵と同じくらい、暗く、生命はなかった。

「神さま!どんなに目をそむけたかったか!でも全て見えたの、土星のRingerの故郷も、Incandescentの都市も、 Jiang's Starの隅々からその先までも、そして生きている人は誰も居なかった。 私達の生きてきた痕跡も、私たちの為してきたことも、すべて、灰と暗黒と死の中にくすぶっていた。

「その全ての上に漂っていると、Dominaのお顔が見えたわ。彼女も、かつて人々の故郷だった、生命の無い虚空を 見ていたわ。そして私は彼女が泣いているのも見た。私達と、私達の世界がすべて死んでしまったから泣いていたの。 でも、彼女の顔を間近に見たとき、そこに後悔の表情は見えなかった。」

Victoriaはシスターをなだめようとしました。「ただの夢よ」彼女は言いました。 「Dominaは、私達にそんな酷い事が起こるのを許しはしません。自信を持って言えます。 明日、あのゲートを通ったら、何もかも大丈夫だときっと分かりますよ。」

その次の日、FermiとRising Starはその最後のスターゲートを通ると、ちょうどKatharineが予言したとおり、 すぐに海賊達の襲撃を受けました。

2隻の船は果敢に反撃をしましたが、Katharineの船、Rising Starはすぐに動けなくなってしまいました。

通信回線で、Victoriaはシスターに向けて訴えました。「急いで!航路をあわせれば、あなたと乗員を助けられる!」 しかしKatharineはそれを拒みました。「駄目!私が海賊と戦っている間に逃げて!行くのよ!私ならDominaが助けてくれる!」

目に涙を浮かべたまま、Victoriaは船を旋回させると、IncandescentとCommonwealthの制宙領域に向けて最大速力で向かいました。

Victoriaは、彼女の背後で、Riging Starと海賊が猛烈な戦闘を繰り広げているのを見ました。 Katharineは苛烈な勢いでレーザー砲塔を操り、そのすべての砲撃を一つとして過たず命中させていました。 しかし海賊の勢いは止まらず、Rising Starから離れてFermiの方へ向かってくる海賊たちも出てきました。

突然、Rising Starがその中から輝きはじめました。美しい紫色の光が船を包み込み、その光はどんどん明るくなっていきました。 まもなく船はその光明の中に消失し、海賊達は慌てて旋回し逃げ出そうとしました。

紫色の光球は全方位に広がっていき、まわりの海賊船に直撃しました。 光が消えると、そこには海賊船の冷たい残骸が漂っているだけでした。KatharineとRising Starは失われました。

悲しみに包まれたまま、Victoriaは惑星Incandescentに到着しました。Katharineはいなくなってしまいましたが、 彼女とEugeniaはDominaのために働きつづけました。

この旅の物語は何百万人もの心を打ち、Eugeniaのもとへ補給船が送られるときには、Dominaに人生を捧げるために 何千人もの奉仕者が乗り込みました。

Euginiaは、今ではSanctuary星系と呼ばれている場所で最初の寺院を作りました。

Victoriaはこの新しい寺院をいちど訪れましたが、そこに長くは留まりませんでした。 彼女にはKatharineの犠牲と、Katharineの見た恐ろしい夢のことが忘れられなかったのです。 Katharineの夢は未来の一端だったのでしょうか?すべてはOracusの何らかの計略だったのでしょうか? 一つだけ、答えを捜し求めるべき場所がありました。

もう何世紀も昔、Victoriaは銀河の中心に向けて旅に出発しました。 彼女が、Dominaを求めて旅立つ最初の巡礼者となり、そして他にもたくさんの人々が旅に加わりましたが、 その中に戻ってきた人はまだ居ません。願わくは、彼らすべてが道を見つけ、故郷に無事に戻ってこられますように。



Last-modified: 2010-04-16 (金) 16:03:26 (3104d)